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完全防爆推進工法

完全防爆型掘進機とガス検知システムによる安全で確実な推進


概要

一般にメタンガス等を含む土質は粘土シルト及び腐植土が複雑に入り混じった互層からなり、その腐植土層には吸着性メタンガス等があり、粘土シルト層や砂礫層に含まれる地下水には水溶性メタンガス等がふくまれています。そのため、土圧又は地下水圧を開放すると、メタンガス等が発生します。

どのような状況において坑内に地下水が漏水してメタンガスが溜まるかもしれない可能性は否定できません。例えば、曲線推進中のヒューム管の目地からの漏水や、排泥管の磨耗による漏水等、この様に密閉型機械推進工法であっても発生したガスが管内に漏れる危険性は多くあり、さらに推進管の気積は比較的小さいため、少量のガス漏れでも爆発限界値に達し易く、大事故を発生させる危険性は高くなります。よってメタンガス等を含有する地盤での推進は無防備はもちろんのこと、簡易防爆設備での対処は危険性増すため、完全防爆設備での対処が必要です。

一方、着火原因については、静電気による火花、動力電源からでる誘導起電力による放電火花、地下迷走電流による電位差発生放電、鉄製工具や機器の打撃の火花、電纜の通電中の損傷やコネクターの外れ等、電機機器を防爆にしても、それ以外の着火源は多数あります。

完全防爆の基本計画

完全防爆の基本は下記からなっています。

防爆区間の設定と掘進機の防爆仕様化
送排気方式による換気
水力排土方式の採用
掘進機の坑外遠隔操作方式の採用
坑内ガス検知システム等安全管理機器の設置
発進と到達時の安全対策
現場作業員の教育と訓練

以下に各項目について計画を説明します。

防爆区間の設定と掘進機の防爆仕様化

掘進機本体を第1種危険場所とし、掘進機に続く後方の 6.68m(ヒューム管約3本)を第2種危険場所に設定します。

防爆仕様掘進機模式図

第1種及び第2種危険場所の機器は全て防爆仕様とします。

防爆仕様となる機器は下記の通りです。

  1. カッター用電動機
  2. クラッシャー用電動機
  3. ローリング計
  4. ピッチング計
  5. 土圧計
  6. 方向制御ジャッキのストロークセンサー
  7. 推力点ジャッキのストロークセンサー
  8. テレビカメラ
  9. 非常用蛍光灯
  10. 蛍光灯
  11. 警報ベル
  12. 集音マイク
  13. ガス検知センサー
  14. エヤーカーテン用軸流送風機

第2種危険場所の後端(第3ヒューム管)にはエヤーカーテンを設け、それより後方へのガス拡散を防止します。従って、エヤーカーテンより後方は非危険場所とします。非危険場所となった、エヤーカーテンより後方の第4ヒューム管及び第5ヒューム管内には、No.1後続台車、No.2後続台車を設け、非防爆の制御機器と油圧機器、及び水力排土のための送排泥バイパス弁ユニットをその後方に搭載されています。

防爆仕様掘進機模式図2

従って、これらNo.1,No.2後続台車から掘進機へ向けて、掘進機に搭載した防爆機器に信号及び動力のケーブルが連結され、掘進機に搭載した油圧機器に油圧配管が連結されます。

送排気方式による換気

推進工事の坑内換気は送気式にすると、もやのため坑内の視界が悪くなり坑内測量に差し支えるので、一般に排気方式が行われています。しかし、排気方式では坑内先端の吸い込み個所での空気の攪拌がありません。

メタンガスは空気より軽いので発生と同時に天井際に溜まります。このメタンガスに空気を吹き付けて拡散しないと、吸出し通気で排気することが出来ません。この拡散の目的でエヤーカーテンより後方の新鮮な空気を軸流送風機によって掘進機内に吹き付け拡散します。

吸出し排気管の先端の吸い込み口はエヤーカーテンを設置する第3ヒューム管より3m 以上前にもってきます。これにより送排気の短絡を防ぎます。

発進と到達時の安全対策

発進してから第2後続台車が設置できるまでの(ヒューム管3本据付)まで
は保安機器関係の設置が整いません。この間はボルテクスブロアーによ
る吹込み換気だけになります。送風距離が近いので約30m3/分の送気量となり
ます。

到達時は到達坑口ゴムに礫を挟んで相当の出水があります。従って、坑外から
非防爆の軸流送風機で 50m3/分程度の風量を到達立坑下に吹き込み、メタン
ガスの拡散上昇を促進します。

作現場業員の教育と訓練

どんなに立派な安全設備を構築しても、それを使う作業員たちがよく理解して
いなければ、緊急事故のとき役に立ちません。そこで、発進前に1回2時間程
度、発進の時のメタンガス防護の方法を含めての教育を行い、次に防爆関係の
機器が全て設置し終わる時点、即ち、ヒューム管7本を推進完了した頃に再度、実物を見ながら教育を行い、警報機器類のテストを兼ねて非常事態の訓練をおこないます。

CMT工法協会の現場監督や作業員は坑内からビット交換をするときに圧気を
かけて交換作業をするため、高圧室作業主任の資格者かその教育を受けた経験
者です。そのため、可燃性ガス対策に関する教育の理解も容易だと思います。



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施工実績

代表的な施工事例です。

改築推進工法

山口県宇部市

φ840mm

大中口径管改築推進工法

 

紹介動画あり

愛知県

愛知県豊橋市

φ1000mm×1448m

500R 3箇所,700R 4箇所

新潟県

新潟県

φ1350mm

可燃性ガス含有地盤
高土被り
山岳下 120m

神戸市

神戸市

φ1000mm×251m

障害物

地下鉄築造時の親杭

(H300×300-9本)

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